セレックは、どんなに忙しい方でも、短時間で虫歯の治療ができてしまう驚きの歯科治療のことです。
ここ数年、テレビ番組や雑誌などでも、度々取り上げられるようになったことで、健康志向のビジネスパーソンや主婦、学生を中心にセレック治療を希望する患者さまが増えています。
当院では、最新の歯科用CAD/CAM技術によるセレック治療を行っております。
セレックとは
セレック(CEREC)とは、スイス北部にあるチューリッヒ大学のメルマン医師とブランディスティーニ医師によって、1985年に開発されたセラミック修復を目的とする歯科用チェアサイドCAD/CAMです。
当時の虫歯治療は、ダイレクトボンディング法を用いた歯科治療が一般的でした。しかし、ダイレクトボンディング法に使用される材料によって、重合収縮による術後トラブルが問題視されるようになり、メルマン医師とブランディスティーニ医師は、“大きな虫歯の治療に対して、セラミックの詰め物を作り、残りの部分にレジンを詰めて塞いでしまおう”と思い立ち、開発されたのが「セレック」です。
セレック治療のメリット
歯型を採って歯科技工士に依頼しなくても、院内にあるコンピューターを使って歯冠修復物を製作することができるため、従来よりも短い時間で治療を終えることができるだけではなく、これまでのセラミック治療よりもお手頃な費用で治療ができるようになりました。
また、これまでの虫歯治療では、素材の性質上、どうしても精度が低くなってしまい、虫歯の再発リスクが高く、4年に1度のペースで虫歯の再治療を行う必要がありました。そのため、治療を行うたびに自分の歯が少しずつ削られてゆき、最終的には抜歯をしなければならず、自分の歯を残すことができません。
しかし、セレック治療で使用されるセラミック素材は、自分の歯と同じようにすり減ってゆく性質があるため、自分の歯とセラミック素材のあいだに隙間や段差ができてしまう心配がほとんどなく、虫歯の再発リスクを最小限に食い止めることができます。
ほかにも、従来の詰め物や被せ物と比べて外れにくく長持ちする、自分の歯に近い自然な色合い、時間経過による変色が起こりにくいなどのメリットもあります。
このような方におすすめの治療です
- おくちを開けたときに目立つ、銀歯や金歯をナチュラルな白い詰め物に替えたい
- 自然で美しい白い歯に見えるセラミック治療を希望したい
- 虫歯治療後の詰め物を白くしてほしい
- 詰め物や被せ物のトラブルを、すぐに治したい
- 歯科医院に足を運ぶ回数を少なくしたい
- 短時間で歯科治療を終えたい
- 審美歯科治療にかかる費用を抑えたい
- 金属アレルギーが心配
など
セレック治療の流れ
step1.治療前のカウンセリング
セレック治療を始める前に、患者さまのおくちの状態を確認させていただき、ご希望を踏まえた治療方法のご相談をさせていただきます。
治療について、気になる点や心配ごとなどございましたら、どんな些細なことでも構いませんので、遠慮なくご質問ください。
step2.3D光学カメラを用いたスキャン式の型取り
虫歯に感染した部分を削り取ったあと、ペンのようなかたちをした「青色LED 3D光学カメラ」を使って、患部を撮影(スキャン)します。
わずか数秒、青色LEDを患部に当てるだけで、スキャンされた患部の歯列が、目の前にあるコンピューターのモニター画面上に3D再現されます。そのため、型取りが苦手な嘔吐反射の強い患者さまも、リラックスした状態で治療を受けることができます。
※症例によっては、従来と同じく、粘土のようなものを使って、型取りを行う必要になるケースもあります。
step3.コンピューターによるセラミック製の歯冠修復物の設計
セレック治療では、患者さまのおくちのなか全体のバランスを考えながら、機能性と審美性を兼ね揃えた歯冠修復物を製作することになります。
治療を担当する歯科医師は、3D再現された3D再現された患部を、あらゆる角度から観察し、立体化された歯の形態や、かみ合わせなどの微調整を行い、理想的な歯冠修復物を設計していきます。
step4.設計データをもとに、ミリングマシンで削り出し
設計データが完成したら、患者さまの歯の色に近いセラミックブロックを1つ選び、「ミリングマシン」と呼ばれる機械(CAM)を使って、セラミックブロックを削り出します。
セラミックブロックを高速で削り出し、あっという間にコンピューターで設計した患者さまのおくちにピッタリな高精度の歯冠修復物を製作することができます。
step5.削り出した歯冠修復物をセット
ミリングマシンによって削り出された歯冠修復物を、特殊なセメントを用いて、虫歯を削り取った患部に接着させます。しっかりとセレックが固定されたら、治療は完了です。
セレック治療は、患者さまのおくちの状態にもよりますが、早ければ40分~60分ほどで終わります。
セレック治療の注意点
おくちの状態や治療部位によっては、即日治療ができないケースがあります。
虫歯の進行具合などによっては、即日治療ができないことがあります。治療を始める前に、おくちのなかを隅々まで確認させていただき、詳しい診査診断のあと、即日治療が可能かどうかを判断させていただく場合がございます。
ブリッジによる修復治療には向いていません。
現時点では、セレックで製作することができるのは、部分的な修復が可能となる詰め物と被せ物のみとなります。ブリッジの製作も不可能ではないのですが、長期使用による残存率に関する臨床データの蓄積が少ないため、ブリッジの製作は控えさせていただいております。ただし、詰め物や被せ物と比べて、注意点は増えますが、2本連結のブリッジまでは適応可能となりますので、カウンセリング時にご相談いただければと思います。
前歯のセレック治療にはおすすめできません。
前歯の虫歯治療にセレックをご希望される患者さまもたくさんおられます。しかし、セレックでは、前歯の微妙な色の調整や質感を出すことが難しいため、色調の精度が求められる前歯には、あまり適していません。ヒトの目に触れることの多い前歯は、歯科技工士によって1つ1つ丁寧に仕上げられる、機能性と審美性を兼ね揃えた歯冠修復物をおすすめしております。
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