多くの方々が歯科医院を訪れる1番の理由、それは「虫歯」です。
よく『虫歯になると、歯が痛くなる』と言いますが、虫歯は単に痛みを出すだけではなく、歯並びやかみ合わせの悪化、肥満や糖尿病などの全身疾患にかかりやすくなる、口臭がひどくなる、認知機能の低下など、さまざまな病気を引き起こす原因となります。
当院では、歯科用CT (3Dレントゲン)を使い、歯を支えるための土台となる顎骨の厚み、歯の神経や血管が通っている正確な位置や状態などをデジタル処理された3次元的な画像をもとに診査診断し、患者さまにピッタリな治療法をご提案しています。
虫歯のメカニズム
虫歯になってしまう主な原因は、歯の表面に定着するプラーク(歯垢)内の「ミュータンス菌」という細菌の存在です。
ミュータンス菌とは、ヒトのおくちのなかに好んで住みついている連鎖球菌であり、食べ物や飲み物に含まれる糖分を栄養として、酸を作ります。通常、ミュータンス菌が作りだした酸は、弱アルカリ性の唾液によって中和されるため、虫歯になることを防ぐことができます。けれど、なにかしらの原因によって、唾液の分泌量が減ってしまうと、ミュータンス菌の活動がさらに活発化し、歯の表面を覆っている硬いエナメル質が、少しずつ溶けはじめ、表面に小さな穴が開いてしまいます。これが「虫歯」です。
虫歯は、
- 【歯質の低下】酸に弱く、溶かされやすくなります。
- 【過剰な糖分摂取】ミュータンス菌の働きが活発になります。
- 【食後からブラッシングまでの時間】長ければ長いほど、ミュータンス菌の働きが活性化します
これらの条件が重なることで虫歯が進行してしまうのです。
虫歯の進行段階と治療法
虫歯治療は、虫歯の進行度合いによって異なります。
虫歯が神経まで達していない場合、ブラッシングやフッ素塗布、虫歯を削って詰め物などで治療を済ませることができます。しかし、虫歯が神経まで達している場合、神経を取り除いたあと、虫歯の再発を防ぐために、薬剤を詰め込み、上から被せ物をする必要があります。
また、虫歯によって起こる痛みは、一時的なものですので、痛みが引いてしまうと、『すぐに歯科医院へ行く必要はない』と思ってしまう患者さまもたくさんいます。けれど、いったん虫歯による痛みは消えたとしても、炎症自体は歯の根っこ部分で治まることなく、延々と起きていることになりますので、歯科医院へ足を運び、「歯の根っこ」の治療を受けましょう。
C0【ごく初期の虫歯】
歯の表面のエナメル質が溶け始め、白く濁っている状態。
まだ歯に穴はあいておらず、痛みなどの自覚症状はありません。
正しいブラッシングやフッ素塗布で治ることがあります。
C1【エナメル質の虫歯】
歯の表面のエナメル質がさらに溶け、黒ずんでいる状態。冷たい物がしみることがありますが、まだ痛みはありません。
虫歯に冒された部分を削り、レジン(歯科用プラスチック)を詰めて治療を行います。
C2【象牙質の虫歯】
エナメル質の内側にある象牙質まで虫歯が進行した状態。
冷たい物や甘い物がしみるようになり、ときどき痛むこともあります。
虫歯に冒された部分を削り、インレー(詰め物)で補います。
C3【神経まで達した虫歯】
神経まで虫歯が進行した状態。
熱い物がしみるようになるほか、何もしていなくてもズキズキと激しく痛むようになります。
神経を除去し、神経が入っていた管(根管)の内部を消毒して薬剤を詰める根管治療を行い、クラウン(被せ物)を被せます。
C4 【歯根まで達した虫歯】
歯の大部分が溶けてなくなり、歯根まで虫歯に冒された状態。
神経が死に、痛みはなくなりますが、歯根部に膿が溜まると再び痛みが出ます。
多くの場合、抜歯が必要です。
抜歯後、インプラントや入れ歯などで失った歯の機能の回復を図ります。
※親知らずの移植が可能な場合もあります。
重度の虫歯治療「根管治療」
これまで、歯の神経にまで虫歯が達してしまうと、歯を抜かなければなりませんでした。しかし、歯を抜いてしまうと、虫歯菌に侵されていないまわりの健康な歯が傾いたり、顎の骨が痩せたりしてしまい、歯並びやかみ合せが乱れて、おくちの環境が悪くなってしまうなどの問題がありました。
けれど、重度の虫歯によって歯の大部分を失ってしまった場合でも、「根管」と呼ばれる歯根を通る細い管から、歯髄 (歯の神経や血管)をキレイに取り除き、内部を隅々までキレイに洗浄・消毒を行う「根管治療」であれば、患者さまの大切な自分の歯を抜くことなく、虫歯を治療していくことができます。
根管治療の流れ
①レントゲンや診査を行い、どの歯に問題があるのか、本当に歯根の治療が必要かどうか、治療後きちんと治るのかなどを確認します。
②治療が必要と判断した場合、古くなった詰め物や被せ物を取り外して、虫歯になってしまった部分の治療を行います。
③根管までの深さを計測したら、内部をキレイに消毒します。
④虫歯の再発を防ぐため、薬剤で根管内を満たしたあと、フタをして密閉にします。
⑤被せ物を支えるための土台をしっかりと固定したら、人工歯を装着します。
歯の痛みの主な原因「虫歯」は早めの治療が肝心
永久歯は、1度抜いてしまうと、2度と生えてくることはありません。そのため、長いあいだ虫歯を治療せずに放置してしまうと、歯根にまで達した虫歯菌によって、歯髄炎や歯髄壊死、根尖性歯周炎などを引き起こし、抜歯せざる得ない状態になってしまうことがあります。
自分の歯を長く残すためには、定期的に歯科医院で検診を受け、虫歯の早期発見や治療を行うことが大切です。また、虫歯菌が歯の内部にまで感染を広げてしまった場合でも、根管治療を受けることで、自分の歯を残すことができます。
学校の歯科検診でお子さまの虫歯が見つかった親御さん、重度の虫歯でお困りの方は、当院までご相談ください。
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